食に特化したクリエイティブカンパニー HIRASAWAは、食品業界に携わる全ての方々へ敬意を払いつつ、社会的責任のもと、創造や変化に“デザインの力”で世界へ貢献します。

ごったんで〜す!
その2・bio ojiyan cafe 様
2024.01.16

“神宮前”という住所を見るだけで中高生の頃はワクワクが止まらなかった私。特に“裏原宿”エリアは最新のファッションや音楽が集結する場所であり、お金なんか持っていなくてもただ歩いているだけで楽しかった10代のあの頃…。それからXX年後、この地に久しぶりに降り立った私、しょくたん。なんなの!?アウェー感すごいぞ!道行く人はキラキラの若人ばかりだ!眩しいぞ!「君たち、今日は平日だが学校はどうした?」と叫ばずにいられない衝動と戦いながらフラフラと徘徊して若人たちの様子を探る補導員?ていうか補導どころかいつも通り道に迷っているではないか!今日のお店はどこじゃ。

原宿と表参道に挟まれたこんなオシャレな場所に「おじや」の有名店があるという情報を聞きつけて訪れたわけでなのですがね。「おかゆ」は美容にも良いことから随分前からブームではあるけれど「おじや」って??そもそも「おかゆ」って?「おじや」は?…えーい!ついでに「雑炊」も並べまっせ!なんならもう海外勢の「リゾット」もまとめていってみよう!この4つは雰囲気はそっくりだけど違いはなんなのでしょうか?それぞれの特徴を調べてみました。<参照:農林水産省資料・国語辞典>

<おじや>
炊いたご飯を洗わずにそのまま出汁や具材を加えて煮たもの

<雑炊>
炊いたご飯を煮る前に洗いご飯に水を加えて炊いたもの

<おかゆ>
炊いていない生の米を水を多くして軟らかく煮たもの

<リゾット>
炊いていない生の米をオリーブオイルやバターなどで炒めてから白ワインや出汁、スープで炊いたイタリア料理

ほうほう。リゾットは置いておいて、おかゆとおじやと雑炊の違いにはビックリ!確かに言われてみると…という気もします。子どもの頃に風邪をひいたときに食べていたのは「おじや」かも?まさか生のお米をコトコトと手間暇かけて我が母が煮ていたとは想像つかぬ。前日の残りご飯に卵と水を入れて適当に味付けて温めていたテイな記憶が蘇る。病気の時以外には食べたことがない幻の特別メニューでもある。

文明の利器である携帯のmap機能に頼り切ってどうにかお店に到着。オシャレな路地裏ことキャットストリートのビルの1F。はいオシャレ。もういきなり見た目がオシャレ。今回の記事は「オシャレ」っていう単語が100回くらい出ます。覚悟を。

入口には三角看板があり、オシャレながらも控え目に誘引しています。オシャレカフェでランチやってま~す!な感じです。こんなオシャレなお店ですが「おじや」ということで、もしかしたら店内はご年配の方がたくさんとか!?扉の向こうには異世界が広がっているのか??ロゴマークの灯りがホワッと温かく迎えてくれていよいよ店内へ!

店内は奥に広い感じ。木の温もりある調度品とペンダントライトがすごくかわいい!アンティークショップのようなオシャレ感満載の店内です。都心のカフェにしては珍しく、なんと喫煙席のテラスもあります。全体的には女性おひとり客が多い印象で皆さんまったり寛いでます。他にはお友達同士っぽい人や職場(オシャレ職場っぽい雰囲気)の団体さんなどで賑わっています。おひとり様の私は長テーブルへ通されました。あ、一応のご報告ですがご年配の方はいないです。皆無です。はい。

さて恒例のメニューブックチェック!!

おお!ビニールタイプのメニューブックですね。かためのポケットタイプです。飲食店では定番中の定番商品です。利点はなんといっても使いやすいことでしょうか!汚れても簡単に拭くことが可能で、メニュー表の差替えも容易です。ただこのメニューブック、年季が入ってしまうとこの写真のようにページを留めている合皮部分がモケモケしてしまい(加水分解といいます)ビニール部分にそのモケモケが付着していまい、ちょっと残念な見た目になってしまうのです。今回のような雰囲気のカフェでしたら本革や木材など、自然素材を使用したメニューブックにして経年劣化でも「アジ」が出るブックが良いかもしれませんね。当社では完全オリジナルの素敵なメニューブックをご提案しますよ~!(と、心の中で熱く宣伝するしょくたん)

さて、それはそうとメニューを決めないと。おじや以外の定食メニューも美味しそう!ここにきてまさかの鞍替えか!?と、浮気をしている場合ではない!初来店がゆえに悩む!というのもおじやひとつとっても、ベースおじや&チョイスフレイバー&トッピング&オプション!ときたもんだ。まさかのカタカナが並んでいるではありませんか!フレーバーときたもんだよ。ここおじや屋やで!

何がなんやらさっぱり分からん!「こういう時は店員さんにおすすめを聞こう!」と思って忙しそうな店員さんに声をかけると「全てQRコードからお願いします」とのこと…。なるほど。コロナもあったし会話は基本的にNGなのかしら。それとも最近の若人の間では会話自体が流行らないのか??いや、普通に忙しいから話せなかっただけのか。見渡すと誰も店員さんと会話をしていない現実。時代はもう変わったのね…今やホール係はネコちゃんロボットが活躍している時代だもんなぁ…(哀愁)。

どうにかこうにか無事にQR注文を済ませてmyおじやを待ちます。目の前がオープンキッチンの席なので退屈しません。オシャレな店員さん(若人)が元気に働いています。いやぁオシャレ。みんなオシャレ。店員さんもお客さんもオシャレ。と、感心して凝視するオバサ・・・いや、元10代のお姉さましょくたん!しばらくすると運ばれてきました~!!

こ。これは!!
おじや!?けっこうな本気度じゃないですか!

神宮前、原宿、表参道、裏原というカルテットのこの立地。私はてっきりこの場所柄、丸っこい小さなウッドプレートにちんまり…いや、お上品にザ・オシャレにかわいくおじやが盛り付けられているもんだと!

って!めっちゃ「鍋」ですやん!

これ実家に普通にあるわ!っていうくらいの鍋感!しかも取っ手部分が歴史を刻みすぎ~!使い込んでる感がシブイです!器に盛るわけでもなく潔く鍋のままおじや!GO TOおじや!まさに実家方式やんか!でも実家と決定的に違うのは、そこにはやはり「オシャレ」が鎮座していること。

タコさんウインナー → オシャレ!
ラスク → オシャレ!(え?ちょっ!ラスク?)
海苔とか白黒胡麻とか → オシャレ!多分

実家ならここまでの手は加えてもらえないでしょう。そう考えるとこの鍋も含めて全部オシャレに見えてきたぞ。見た目はOK!いよいよ味ですよ、味。国民食おじや。シンプルがゆえにハイレベルな料理でっせ!と、かなりの上から目線でまずひとくち!ぱくっとな。

熱い!めっちゃ熱い。アツアツのおじやはかつお出汁の風味がふわっと効いていて優しい味。出汁は土佐清水産宗田節を軸に2種類の木枯れ節をブレンドとのことで、とじた卵に負けない深い味わいも納得です。こちらの店舗、メニューを改めてよく見たら1999年の創業の日本唯一のおじや専門店とある。今更ビックリする。もう24年間も営業されていたんですね!なるほど!取っ手のビンテージ感とも結びつきました。

私はトッピングにすきやき肉をチョイスしたのでお肉も一緒にいただきましょう。甘辛でこれまた美味!おじやが高級和食にグレードアップなのです!赤いタコさんウインナーも懐かしくて美味しくてホッコリします。シンプルな味付けなので箸ならぬスプーンも進むわけです…と、ふとスプーンを見たら店名の刻印もあります。これまたオシャレ!

ぱくぱく食べていてふと思う。場所柄やっぱり量は少な目なんだろうな。神宮前のオシャレっ子たちがモロ鍋とはいえガッツリ食べるわけないよね。もしやこれは鍋っぽく見えて実は平たい器なのかな?横から厚みを見てみよう!

え?普通に底があるタイプ!正真正銘のホンマもんの鍋やんか!ガテンな量ってこと??ぱくぱく食べ進めていても減ってる感じがしないことに納得。のんびり食べているとお米が水分を吸って膨らんでさらに増えていく~!スピードアップだ!

砂糖が振られたラスクもアクセントになりました。デザートだったのかしら?分からんままおじやと同時に食べてしまった!あっさり美味しいので想像以上にスプーンも進み無事完食!!具合が悪い時以外で初めて食べたおじや。冬の寒い時にホッとするメニューであることも発見!おじや、GOODです!

bio ojiyan cafe 様、ありがとうございました。