食に特化したクリエイティブカンパニー HIRASAWAは、食品業界に携わる全ての方々へ敬意を払いつつ、社会的責任のもと、創造や変化に“デザインの力”で世界へ貢献します。

ごったんで〜す!
その13. De Salita(デ サリータ)渋谷店 様
2024.04.04

渋谷、新宿、池袋。東京近郊で若者時代を過ごした人はお気に入りの「都心」があるはず。代官山、下北沢、自由が丘、なんて派閥もあるけれど、だいたいは渋・新・池の3つを拠点に友達と集まったり遊んだ記憶があるかと思います。しょくたんは新宿が拠点であり渋谷や池袋はほとんど行かない生活でしたが、たまに「渋谷で集合!」となった時は正直「え~!嫌だなー」と困る特別な事情があったのでした!

しょくたんが10代の頃は渋谷はキャッチセールスのるつぼ!今では取り締まりが厳しくなっているとは思いますが、当時はスクランブル交差点を数歩進むごとにヤンチャそうな兄さんから「ねえ!カットモデルやらない?」「雑誌のコーナーに出ない?」など腕や肩を掴まれ、断ろうものなら「チッ!ブスが!」など罵声を浴びせるという!そんな恐怖の記憶もあり渋谷は本当に苦手!鬼門!

もうとっくにそんなセールスを受ける年齢でも背格好でもないのは百も承知ですが、大人になってからも仕事以外では足を踏み入れない場所でもあります。

個人的かつ勝手なそんなイメージの渋谷ですが、近年は外国人観光客の方が溢れダークなイメージというより人が多くてとにかく賑やか~!そうなるともはや「人混みが嫌だ」という理由で近づかないしょくたん…。いかんいかん!

さてそんなスクランブル交差点におそるおそる降り立ったしょくたん、やはり人の多さに圧倒されまくる!ここ渋谷(鬼門)からお届けする今回のごっ舌、お店はこのスクランブル交差点のすぐ近く。

近すぎて場所が分からなかったくらいに近い「De Salita(デ サリータ)渋谷店」様。なんと店頭の写真を撮るのも一苦労!とにかく人が多いので撮影のために立ち止まろうものなら人が勢いよくぶつかってくる!慌てて写真を撮るしょくたん!

今は開いていますが閉店時は閉じるのかしら?特徴ある扉が素敵なお店です。なんだか高級ブランド店を彷彿させますね!三角看板と店頭用メニューでしっかりお店のアピールもしています。ですがとにかく人の波に流される場所なので立ち止まってゆっくり見られないのが残念です。

お店は地下1階なので階段を下りていきます。レンガに囲まれたオシャレな階段の先が店内です。急に異世界へ導かれる感覚に陥ります。あのスクランブル交差点の雑踏はいずこへ…。


店内も先ほどの階段のイメージと同じくレンガを基調にした造りで、南イタリアのワインセラーに迷い込んだかのよう(行ったことないけど)!天井にはワイングラスを使ったシャンデリアがキラリと光り「値段は事前に調べてきたけど…ケタ間違えてないよね」と、不安になるくらいの豪華な内装。

湾曲した壁に描かれた壁画はその先に景色が広がっているような錯覚。本当にここはしょくたんの鬼門なのか!?もしや極楽浄土なのでは?

さて。気を取り直して恒例のメニューチェックです。

シンプルな「紙」のメニューです。文字とイラストのみで料理写真は使われていません。実は高級ホテルのレストランや星付きレストランではよく使われるこのデザイン。「想像すること」を前提に作られているメニューなのです。料理長やお店の方との対話で料理についての情報を得るという場合もあり、実際に料理が出てくるまでの期待感は高く設定されます。

De Salita様も文字と上品なイラストのみで構成されています。このシンプルが故のメニューはフォントの選び方ひとつでガラッと雰囲気がズレてしまうので究極の美が求められる難しいデザインともいえます。空間の使い方も洗練されていますね。

さてさて、ピザの有名店とは下調べしていたものの、しょくたんはなんとなく冒険気分でお店の雰囲気とはちょっと違う「鉄板ナポリタン」を選択!アツアツの鉄板に乗ったナポリタン!楽しみすぎるっ!このお店のイメージからしてとんでもないナポリタンが現れるのか?料理写真がないとこんなワクワク感も楽しめて良いですね~!

さて、到着しました~!!

???

!!!

こ。これは…!?でもテーブルに置かれたときに確かに「鉄板ナポリタンです」と、店員さん。鉄板はどこへいった?

このお店のイメージからして本物の鉄の板的なワイルドさは不要なので、あくまでイメージで「鉄板」とネーミングしたのか?いや、油が跳ねたら大変と思われるほど私は高そうな服を着ているように見えたか(これは違う)?いや、この白い皿がまさか鉄板!?(これも違う)…。

ま、まあいいか。冷めてしまう前に食べなくては。

麺はモッチリした太目の生麺。具はピーマンと玉ねぎとソーセージでシンプルなナポリタン。
ただどうしても気になるのよ。

鉄板よ、いずこへ…。

野暮なことを聞ける雰囲気のお店でもないので、しょくたんは悶々としながら食べ終え早々に席を立とうとする。そこへ店員さんがサッと現われ「テーブルチェックです」と。そ、そうでしたか。なんかそんな雰囲気のお店ですよね。なんとなく鉄板問題について聞けないまま店を後にしたしょくたん。勿論ナポリタンはとても美味しくいただきました。

狐につつまれた…いや、つままれたような…。やはり鬼門なのか?渋谷って場所は!

De Salita(デ サリータ)渋谷店様、ありがとうございました。