食のクリエイティブカンパニー HIRASAWAは、食品業界に携わる全ての方々へ敬意を払いつつ、社会的責任のもと、創造や変化に“デザインの力”で世界へ貢献します。

食×PEOPLE
自分で育てた野菜はわが子のように愛おしい!
2025.02.19


第5回
企画生産部 マネージャー 
小貫 淳 



「口にする食べ物のほとんどが美味しい!」と感じる自分が食に対して「こだわり」なんてあるわけはないと思っていました。ですが最近、野菜に関しては少しだけ「こだわり」がある気がします。
「こだわり」というよりは「自分達で育てた野菜以外を食べる気がしない!」という感じでしょうか。

子どもが社会人になり親元を巣立って行き、時間の余裕が出来た頃に「将来自分達で野菜を育てれば家計の足しにでもなるかな」と話してはいたものの、始めるきっかけがつかめずにいました。

そんな時、まさに渡りに船の出来事がありました。市の農園を借りていた知人から「自分達はもう使わないので代わりにやってみない?」との話をいただいたのです。周りに色々と教わったり、ネットで調べたりしながら「暇つぶしも兼ねて夫婦で家庭菜園程度に野菜でも作ってみるか!」と、まずは軽い気持ちで野菜作りにチャレンジをしてみる事になりました。

野菜作りの様子。

虫から守るためにネットを被せます。


何種類かの野菜を育てています。



最初は何をどうしていいか分からず、取り敢えずは頂いたカブの種を蒔いて「野菜を育てる」というのはどんなものなのかを試してみました。
1か月くらいで収穫が出来、その場で口に運んでみたらびっくり!まるで柿の様な甘さで感動しました。それから妻が本格的に興味を持ち、現在も一緒に手伝っています。

「野菜作りに大切なのは土づくり!」と聞き、まずは畑の土を耕す事から始めました。今まで鍬(くわ)など持った事もないので10分もたたないうちに腕が上がらなくなり腰も痛くなりで大変でした。根を十分に張るためには土を柔らかくする必要があり、しかも深く耕さなければいけません。借りた農園は粘土質のうえ小石などが混じっており、最初の「土づくり」というスタートからして既に大変。
機械を使って耕せば楽なのでしょうが、そこまでの広さもないので地道に手で掘り起こすしか方法はありません。特に根菜は土が固かったり石などの障害物があるとまっすぐ育たず、しっかりと耕さないと根割れをしてしまうこともあります。
「そう簡単に野菜作りはできないなあ…」と、実感しました。

春先から夏場にかけては雑草の手入れも必要です。
薬を蒔いてしまえば良いのかもしれませんが、無農薬で育てているので雑草は手で刈り取るしかありません。これがまた大変!数日でも畑から目を離すと雑草は伸び放題。頻繁には様子を見に行けないので、気が付けば育った野菜を覆うように雑草だらけになり、何度も挫けそうになりました。
雑草をそのままにして育てる方法もあるようなのですが、見た目も悪いので頑張って雑草を刈り取りました。

最初は自分達で食する分と知り合いに配る程度の収穫があればと考えていましたが、妻がすっかり野菜作りにはまり「これを販売したらいくら位になるのかな?」という話も出るようになりました。
そこで素人でも販売できる方法を探していたところ、近くのショッピングモールの野菜売り場に置いてもらい、販売ができるようになりました。

近くのショッピングモールの野菜売り場で販売をスタート!


去年はカボチャとオクラが大量に収穫出来て、ある程度の売り上げになりましたが、実のなった三分の一くらいは廃棄しなければならずもったいない思いも経験しました。

大量に収穫出来た野菜に比べ、オクラは収穫時期から2日くらい経過してしまうと、5センチくらいだったものが3倍の大きさになり、硬くなりすぎて廃棄するしかありません。キャベツやさつまいも等は虫に食べられほとんどが売り物になりませんでした。やはり無農薬栽培には限界があるのかもしれません。特にキャベツに関しては収穫時期がちょうど価格が高騰していた時だったので通常の3倍の値付けでも売れたのに!

夏場大量に収穫出来たオクラの現状。


ブロッコリーもそこそこの収穫量でした。



冬場の現在はホウレンソウやネギなどの栽培をしています。



色々な野菜を育てた今だからこそ「育てた野菜はわが子のように愛おしい」と、おっしゃる農家の方のお気持ちが分かるような気がしています。

野菜も生き物。最終的には廃棄などせずに育てていけたらと思っています。